葉酸で予防できる神経管閉鎖障害とは?原因や症状

神経管閉鎖障害 予防

葉酸を摂取することで「神経管閉鎖障害」を予防できるということは知っているけれど、「神経管閉鎖障害」がどんな症状のものなのか?原因はなんなのか?を理解していないために「葉酸サプリを飲む必要あるのかな?」と疑問を持たれる方が多いです。

国立健康・栄養研究所情報センターが行った葉酸サプリに対する認識調査によると88.1%の妊婦さんが葉酸サプリを利用していたのにも関わらず、神経管閉鎖障害のリスクを知っていたのは49.0%なんです。

こちらでは神経管閉鎖障害のリスクを知らずに後悔する前に知っておきたい神経管閉鎖障害の症状や原因、予防に必要な葉酸の摂取量について解説します。

神経管閉鎖障害とはどんな症状なのか?発症率は?

葉酸で発症リスクが軽減できる神経管閉鎖障害。具体的にはどのような症状で、発症率はどれくらいなのかを知っておくことは予防の意識を高めてくれますよね。何のために妊娠1ヶ月前~妊娠初期に葉酸が必要なのかをしっかり理解しておきましょう。

二分脊椎症

二分脊椎症
神経管閉鎖障害はどこに障害が神経管の出てくるかで症状が異なります。神経管の下部に閉鎖障害が発生すると二分脊椎症という障害になります。

二分脊椎症は背骨の形に先天的な異常がある障害です。脊髄神経は通常は背骨の中の脊柱管の中にあります。二分脊椎症の場合、脊髄神経が骨に守られず外にむき出しになっている状態で癒着や損傷するため、様々な神経障害を引き起こします。

腰椎や仙椎に発生することが多いですが、胸椎、頚椎にも症状が出る場合があります。運動機能や知覚が麻痺したり内臓の機能を低下させることもあります。同じ二分脊椎症でも症状の出方には個人差があり、その差が広いというのも特徴です。

二分脊椎症は大きく二つに分けられます。

 

・顕在性二分脊椎症(開放性)

開放性の場合、生後すぐに脳神経外科で背中の閉鎖手術を要します。損傷場所がどこかによって、症状には個人差があります。軽度で済む人もいれば重度の障害を持つこともあります。下肢障害で車いす・補装具等が必要になったり、排泄障害で、導尿、摘便、浣腸、洗腸などの対処が必要になることが多いです。

また、水頭症やけいれん、股関節脱臼、学習障害などの合併症が発症する可能性も高いです。特に水頭症は発症リスクが高いとされています。

 

・潜在性二分脊椎症(脂肪腫)

開放性に比べると、障害は軽度で済むことが多いです。幼児期には症状が見られないことも多く、周りと同じように成長することができます。学童期や思春期の成長期になると、脊髄係留症候群になるリスクがあり、転びやすい、尿漏れなどの症状が出る場合があります。

これらの症状はは、腰で癒着した脊髄が身長の伸びに追いつかなくなって延びてしまうため、足や膀胱、直腸へ行く神経の機能が低下してしまうために起こります。

 

二分脊椎症と一言で言ってもその症状や障害の程度は人によって様々です。下肢の麻痺や変形、排拙障害が出ることが多いですが、神経管がかかわっているので、運動機能障害は多岐にわたります。治療のためには、脳神経外科、小児外科、泌尿器科、整形外科、リハビリテーション科、皮膚科、内科、眼科などたくさんの医師の力が必要になります。

国際先天異常調査研究機構の調べによると出産児1万人当たりの発症率は平成17~21年では5人強。30年前と比べると2倍以上に増えています。

無脳症

無脳症

神経管の上部で閉鎖障害が起きた場合は、無脳症となります。脳のほとんどが欠如した状態で、皮膚や頭蓋骨なども欠損するので脳組織が露出してしまう先天的な障害です。脳が形成不全なので流産や死産になることが多いですが、おなかにいる間は生きていることができる場合もあります。

しかしながら、生後まもなく予後不良のため無脳症とわかったら妊娠の継続を中止し、死産となることがほとんどです。妊娠を継続することで母体に危険が及ぶこともあるからです。

国際先天異常調査研究機構の調べでは出産児1万人当たりの発症率は平成17~21年では1万人に1人以下。30年前は1万人に9人弱ですが、これは発症リスクが減ったわけではありません。胎児エコーなど医療機器の性能が良くなり、妊娠中に発見できるようになったために、妊娠中止をすることが可能になったからだといえます。

葉酸みどり
神経管閉鎖障害って恐いですね…。厚生労働省が葉酸サプリの摂取を勧める理由がよくわかります。

 

神経管閉鎖障害の原因

神経管閉鎖障害 原因

神経管閉鎖障害はなぜ起きてしまうのか、原因や検査時期と方法について紹介します。

どうして神経管閉鎖障害が起こるの?

神経管閉鎖障害のうち、二分脊椎の主な原因として考えられているのが次の3つです。

  • 葉酸の摂取量不足
  • 糖尿病・肥満・てんかん薬の内服、妊娠初期の高熱発作、放射線被ばく、ビタミンAの過剰摂取などの環境的要因
  • 遺伝

葉酸サプリを適切な時期に摂取していると発生リスクが7割~8割減ることから、葉酸不足が二分脊椎の大きな原因になっていることがわかります。また、残りの2~3割は遺伝子異常が関係しているので、完璧に予防することが難しいというのも現状です。

無脳症の原因ははっきりと改名されていませんが、遺伝的要因と、環境的要因の相互作用だと考えられています。出産順位や出産年齢、職業や受胎の季節なども原因となりうるという研究結果もあるようです。

わかるのはいつ頃?検査時期と方法

エコー検査

神経管閉鎖障害はエコーの性能が良くなったことで、出生前に発見できるようになりました。無脳症についてはほとんどエコー検査で診断することができるといわれていて、二分脊椎症も半数以上は妊娠中に見つけられるようです。発見時期は個人差がありますが、エコーがはっきり見えるようになる妊娠30週前後が多いみたいですね。

出生前診断がすすんでいる欧米では、妊娠12~14週に母体血清αフェトプロテイン(AFP)のスクリーニングを行って神経管閉鎖障害が疑われた場合、羊水中の母体血清αフェトプロテイン(AFP)の量などをはかって、97%の確率で診断することが可能といわれています。でも、日本では特別な検査はせずに超音波検査のみで、診断をするのが一般的です。

神経管偏差障害には、無脳症、顕在性二分脊椎症(開放性)、潜在性二分脊椎症(脂肪腫)がありますが、中でも出生前の診断が重要なのが開放性の二分脊椎症です。生後すぐに適切な手術が行えるかどうかでその後の予後を大きく左右するからです。

 

葉酸みどり
神経管閉鎖障害は妊婦検診をしっかり受けておけば、エコー検査で大半は発見できます。

 

予防に必要な葉酸の摂取量、どんなものを選べはいいのか?

葉酸サプリ

神経管閉鎖障害を予防するためにできることは葉酸を必要量摂取することです。妊娠1か月前から妊娠3か月の間に吸収率の良い合成葉酸を一日に400μg摂取する必要があります。

葉酸は食べ物から摂ることもできますが、食べ物に含まれる天然葉酸は吸収率が悪いので一日に800μg摂らなければなりません。毎日コンスタントに摂取するのは難しい量ですよね。

葉酸サプリを利用すれば効率よく確実に必要な量の葉酸を取り入れることができます。神経管閉鎖障害の深刻さをしっかりと理解すれば、月数千円程度のサプリで予防できるなら、飲まない理由はない!ということが分かりますよね。

葉酸サプリは色々な種類がありますが、合成葉酸が400μg確実に摂取できるものを選びましょう。妊娠中に必要な葉酸以外の成分が配合されている商品も多いので成分をしっかり確認するようにしましょうね。